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この町がいつのまにか自分の場所になってきている。わたしと、ちょっと風変わりな整体師の夫と、わたしたちのところに降りてきた、とてもとても元気なこどもとの暮らし。どんどん流れていく日々を、風景を、ちょっと待った、と切り取ってここに大切に取っておこう。整体のこと、グルテンフリーのこと、子どもといっしょに見えてくる風景のことなどなど。

ある鳥や、動物たちのお仕事の話。

ある鳥のお仕事の話。

思い出したので。

 

4年前。

インドのチベット文化圏、ラダックに、友人たちと滞在していた時のこと。

 

いろいろとお世話になっていた、

日本語ペラペラの現地人、ツェワンさんが、

寺院の庭に飛んできた鳥を指さして、

 

「あの鳥は、なぜか石鹸を盗んでいくんですよ。

 それで人々から迷惑がられているんです。」

 

というようなことを話してくれた。

白と黒の色で、カラスくらいの大きさだった気がする。

鳥の名前を聞いたけど、忘れちゃったな。

 

その話を聞いた夫が、その鳥をジィッと見つめていた。

あ、また話してる。

しばらくすると。

 

「あの鳥は、この土地のペーハー、

 酸とアルカリのバランスを取る仕事をしているんだって。

 そのために石鹸を使っているらしいよ。」

ひとりごとでも、わたしにつぶやくのでも、夫はいつでも声がでかい。

 

それが聞こえたらしいツェワンさんは、

夫のところに来て、

 

「そうだったんですか。

 それは鳥に対して失礼なことを言いました。」

 

と言い、驚いていた。

 

土地の酸・アルカリが、なにがどうなるといいのか、

私にはさっぱりわからないし、

なぜそのバランスを取らないといけないのか、

どういうわけでその鳥が、石鹸を使うようになったのか、

そこまでは聞かなかったみたいだけれど。

 

ラダックは標高が高くて、冷涼で、

美しい木や花もあるけれど、

確かに、緑豊か、というよりは荒涼とした土地がほとんどだった。

 

夫は、気さえ向けば、植物や動物たちとよく話をしています。

やっぱり、みんなそれぞれにお仕事をしているらしい。

 

それは、

人間以外の、自然界の中だけで完結するものだけじゃなく、

人間のいろんな活動に対しても、

あれこれお仕事をしてくれているみたい。

 

例えば。

夫が聞いた話では。

 

山や海沿いで、優雅に飛んでいるように見えるトンビは、

人間が発する電磁波を、一生懸命、調整しようと、

とっても忙しくしているし、

 

 

ハチたちが、

私たちの暮らしに、うんと近づいてきているとすれば、

いろんな化学物質を、なんとかしてくれようとしてるんだって。

 

もちろん、全部が必ずそう、というわけじゃないんだろうけれど。

 

この間は。

小さな小さな緑のカマキリが、私の肩にいて。

わたしはそれを払って、外に出したと思ったのに、

ドアのそばにずっといたらしく、

忘れたころ、私がそのドアを開けた拍子に、

また私の背中に落ちてきた。

 

その話を聞いていた夫が、ちょっと待って!と、

また払おうとしている私を止め、そのカマキリを見つめている。

 

「なんかね、頭蓋骨を整体してくれるみたいだよ。」

だって!

 

仕方がないので、頭に小っちゃいカマキリを乗せたまま、

じぃっとしてること15分ほど。

なんなんだこれ・・・と思わなくもない。

 

夫は、カマキリの動きを見ながら、

「オオッ!」

「スゲー!技が出た!」

とか言って感激している。

ふぅん。

狐につままれたら、こんな不思議な気分だろか。

 

「終わったみたいだよ。」

カマキリが、頭から降りてきたので、

外にちゃんと逃がしてあげたのでした。

 

台風とか、地震みたいな大きなものだけじゃなくて、

ミツバチの羽音や、鳥がピロロローと鳴く声や、花の香りとか。

自然の中にある、そんな小さな振動も、

私たちが意識できなかったとしても、

身体や心に、いろんな影響を与えているんじゃないかな、って

わたしも、わからないなりに感じることがある。

 

だからと言って、

プゥ~ンと蚊が飛んでくれば、パチン!パチン!とやっちゃうし、

ホウ酸団子も置くし、

家の中に行列を作っている蟻を、

いつのまにか、いっぱい踏んずけちゃってることもある。

人間の都合もありますので。。。

申し訳ないこともいっぱいあります、あります。

 

それに、こちらに お話しする余裕のないこともあれば、

相手がお話しできる状態じゃないこともあるし。

 

夫も私も、まだまだいろいろわからないこともいーっぱい。

 

だけど。

そんな世界を垣間見ていると、

なにかを考えたり、選択したり、決めたりするときに、

自分の意志だと思っていることが、

実は、自分に影響を与えている、そんないろいろが、

そうさせていることもあるのかもな、と思えてくる。

 

もちろん、それも含め、それが自分、って言えるんだと思うけど、

自分じゃないものがいっぱいくっつき過ぎていたら、ちょっと大変。

 

夫の整体という仕事は、

そんなあれこれや、

その人の体の声や、

その人を守ろうとしてくれている何かや、

そういうものとお話をして、それを翻訳することなんだ、

と、いつも言います。

 

夫の整体を見たり、受けたりしていると、

自分の体って、

自分にとって大事なことをいつも教えようとしてくれてるんだな、と思う。

 

体がそのスピーカーだとしたら、

その性能をよくすることが、整体、ってことなんでしょうか。

これは私の想像だけど。

 

整体って、ときに怪しまれたり、独特な偏ったものに見られがち。

まあ、確かにそうともいえますが。。。


だけど、そうか。

お話をするってことなのかもしれない。

鳥のお話から思いついたことをつらつらつら。

 

あの石鹸の鳥、なんていう名前だったっけなー。

今も元気に仕事してるだろうかな。