aotateru

この町がいつのまにか自分の場所になってきている。わたしと、ちょっと風変わりな整体師の夫と、わたしたちのところに降りてきた、とてもとても元気なこどもとの暮らし。どんどん流れていく日々を、風景を、ちょっと待った、と切り取ってここに大切に取っておこう。整体のこと、グルテンフリーのこと、子どもといっしょに見えてくる風景のことなどなど。

この夏も。アカウミガメの赤ちゃんと。

この夏も。

なんど見ても、いいな、これ。

アカウミガメの赤ちゃんの放流。

 

めずらしく、 朝5時半に目を覚ました、うちの3歳児。

わたしを激しいキックで叩き起こしてきた。

もう、なんだよー。

もうちょっと寝ててよー。

・・・ おや? もうすぐ6時。

お天気が良さそうだ。

これはもしかして・・・行くっきゃないでしょう。

 

まだ夢の中、のお父さんはそのままに、

急いで着替えて、 2人で車を飛ばすこと10分。

 

いつもの、 ちょっと亀さんみたいなおじいちゃんが、 いたいた。

今日生まれていたのは、50匹くらい。

昨日は200匹だったって。

 

うちの子どもは、もちろん大喜び。

亀の周りをウロチョロウロチョロ。

ちょっと! 踏まないあげてよ!

 

生まれて初めての朝、

生まれてはじめての海なのに、

まっしぐらに海の波の中へ入っていくなんてね。

その小さくて規則的な足跡も、きれいでかわいい。

 

大きな波にさらわれるように、 海へ入ってく子亀ちゃんたち。

うわぁぁぁ、っていう声が聞こえてきそう。

 

見学のわたしたちも、おじいちゃんも、 みんなが気になるのは、

最後の2匹の亀。

歩いても歩いても、 波に押し返されて、

砂だらけで、海に入っていけない。

よーく見るてみると、 うまく歩けていない気もする。

 

おじちゃんは、 しばらく見守っていたけれど、

最後には拾い上げて、 ポーンと海のほうへ投げてやった。

 

この子たちは、 アメリカの西海岸を目指すんだとか。

20年をかけて、 このうちの1匹でも、

またこの海に帰ってくるかどうか。

 

海のめぐり、というか、

地球の命の輪っかみたいな、

実感はないのに、 そんな壮大なものを、

ほんのちょっとだけ感じたような気がした。

 

浜を歩いて、砂に産み付けられた卵を保護して、

孵化の時期には、 毎朝、何か月も、 台風の日でも欠かさず、

海へやってきて、 亀の赤ちゃんを海に帰しているこのおじいちゃん。

 

「おじさん、いつからこれをしてるんですか?」 と聞いてみた。

 

日に焼けて、しわだらけのおじいちゃんは、

表情も変えないで教えてくれました。

「今日来てた、あの家族のお父さんが今、36歳。あれが小学生にになる前からよ。」

え”?

「ボランティアなんですか?」

「そう。  だからこれに関わろうとする人がおらんのよ。  

 わしももう、足が思うように動かんし。

 後継者がおるといいんじゃけど。」

 

おじいさん、亀のためにいっぱい働いてるから、 きっと長生きしますよ。

って思ったけど、

このおじいちゃんが、 この仕事ができなくなったら、

こんな風景も、 もうなかなか見るチャンスがなくなっちゃうんだろうか。

 

この日の海は、 台風が過ぎた後、ということもあって、

海岸がものすごく汚れてた。

日本や、たぶん世界中のゴミが、 海藻といっしょに、 いーっぱい打ち上げられて。

 

アカウミガメの赤ちゃんも、 このおじいさんも、また来年も会えると思うし、

ももしかしたらいつか、会えなくなっちゃうのかもしれないけど、

 

早起きして、 亀の赤ちゃんをつついて、 海に帰っていくのを見送って、

へんてこな形のボールを見つけて、 喜んで持って帰ってきた、3歳は、

なんだかちょっと、 誇らしげ、というか、満足そうだった。

 

地球のためにゴミ拾い!とか、 もうあんまりしないんだけど、

海岸を全部きれいになんてできないけど、

次に亀を見に行くときは、 1個でも2個でもなんか拾ってこようかな。

 

そう思っただけだし、

カメの放流を見せてもらっただけなのに、

なぜかいいことしたみたいな気分になるのは、 なんでだろう。

 

たまには朝日を浴びるものだね。

この街でこんなことがあるから、

苦手だった夏が好きになっちゃいそうなんだよ。

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